文: Kim SongGi

松見拓也 写真展 | KASET
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開催が本日(3/29)までとなったhinemos -tiny wall gallery-で行なわれているこの展示は松見拓也による2度目の個展。
開催期間中に二度も立ち寄る機会があったにもかかわらず、こうして報告するのが遅くなってしまった。
彼がAT PAPER.に初めて登場したのが第3号。その後も取材撮影をお願いしたり、展覧会となった9号にも作品を提供してくれた。普段からデザインやパフォーマンスなど多岐にわたる分野で活動を展開している松見拓也の個展は「所謂、写真展」とは少し違う側面を多く含んでいると感じた。

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「この小箱について、」と題された、hinemosの野口氏によるテキストでも言及されているが、一種の「ゲーム」のようなことを展開しているとさえ感じた。

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もはや、その大きさに馴染みも薄くなって久しいL版プリントサイズ。
それよりも小さなサイズで箱に納められた写真を手にとって鑑賞した時、現在自分が「いかに自分に合わせるようにしてイメージを見ているのか。」ということがふと頭をよぎり、同時に横で鑑賞していた人の姿がなんだかコミカルに見えてくる。たとえ眼に近寄せて「よく見よう」としても、そこにあるイメージは解像しておらず、唯々小さく広大な色面が視界に広がる。

その上方で宙づりにされた、大きく出力された写真作品に目をやると、そこに写っているイメージはそれを構成する「点(ドット)」とぎりぎりのせめぎ合いで主張しあい、「今何を見ているのか」の座標を失う瞬間をこちらに与える。

他にも今回の個展では実験的な作品も展示されていて、私たちが「見ているもの」や「痕跡の横ズレ」などたくさんのキーワードが想起されて興味ぶかく鑑賞できた。

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