AT PAPER.11より記載している、画家田中秀介による「田中の打ち返し!」。
日常から宇宙疑問まで数多のボール(お題、質問)に田中秀介が打ち返(回答)します。今回も写真3枚です。ご覧ください。

写真①

 これは何かが写り込んでいる。撮影者の位置、写り込んでいるもの、状況はさっぱり わからないが、何ぞが反射で目の前のバイクと重なり、見えにくくなっている。今、見えにくくなっている。と述べたが、見えてます。つまり私はこれに対し、形容し難くなっている。
バイクとて、部品の重なりでバイクの風体をなし、バイクたらしめている。それに次元の異なる部品が重なり、これ、もはやバイクでは腑に落ちず、新大阪発東京行き新幹線。車内でうねうねしている間に熱海駅を通過、いよいよ待ち焦がれる富士山が目の前。ああっ!!きれい!すごいわね!。車窓から望む景色を一人楽しんでいると、途端に気づく己の凄惨面。
富士に凄惨。これ絶景ではあるが絶句。眼前にあるもの総じて現実。見るのをやめて大人しく座り、続きのメントスを食べる。
【反射体現】

写真②

 よくやっているなー!!ガンガンガンとうんうん。いよいよ隙のない平日!
今日もまたこれ、これからかー!季節と今、やっぱし一番がイイナアー!おもいっきし寄せて、憂いもなく賃金と水!
幸せはあさって。涼しいし丁度よい!行きたければ行けばいいし、そこまで落ち込まなくてもよい!
昨日の屑も人任せ。育ってきた甲斐があった!ごもっとも、予報も気にせず、喜ばしいデスナア!
どんどんどんかドンドン。寄り添いて労働対価!成り上がりの若者に会いたいなー!
さあ、隙のない平日!おっさんとオバハンの盛り上がりも感じるし、なにより元日に指針を立てている!

写真③

 この作品はどこかに展示されている。私は作品の作者も制作年もわからないし、ここに至るまでの経緯も知りえない。
しかし、この画像を見る限り、作品は保たれ、展覧会の一翼を担っている。良かった。まさか打ち返しの題材にされているとはつゆ知らず。
作者は旅だった作品の今後を中々知る事が出来ない。私の旅だった作品たちは、今どこでどうしているだろうか。
壁に掛けられているか、物と物の間に収められているか、はたまた滅却されたか。気になる。気になったので所有者に連絡し、状況を確認する。

 健在である。暮らしの一翼を担っている様が見受けられる。
私は今確かに嬉しいが、何が嬉しいのか定まらない。まるで友人の誕生日を祝っている心持ちである。