AT PAPER.11より記載している、画家田中秀介による「田中の打ち返し!」。
日常から宇宙疑問まで数多のボール(お題、質問)に田中秀介が打ち返(回答)します。今回も写真3枚です。ご覧ください。
写真①
私はこの情景をすんなりと、疑う事なく許容した。今や不始末を叱る人へと転換を余儀なくされているが、元は競馬場への入り口を誘導するために配置された硬質ジョッキー。当然の様に感じる。何故だろう。
例えば外科病棟の門前に、手術着を纏った硬質外科医が看板を掲げていたら私は違和感を抱く。いざ矢継ぎ早、職業別に硬質化の許容の可否を主観で確かめていく。これは硬質ジョッキーの品質を基準に、門前に配置された事を前提とする。
僧侶×・コンビニ店員×・傭兵×・消防士○・税理士×・ガソリンスタンド店員○・学校教員×・宅配員○・スキューバダイビングインストラクター○・探偵×・コック○・刀鍛冶×・エステティシャン○・質屋×・宮司×
硬質化許容職業の第一印象は発汗。
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写真②
この場合、破壊は自然任せである。ほっといたらこうなった。ほっといたら山なった。
街中においては、不要な家屋をほっといたらこうなった。ほっといたら道なった。にはならないので業者に願い出て、破壊やその始末をお頼みする。そしてその現場に運良く立ち合わせた時、ネギとみりん、鈴カステラを買う事などを忘れて、見入ってしまう。
これまで見てきた限り、正面から崩し始める。作業は二、三日要するので、正面から半分無くなった家屋の断面を拝むことが出来る。そこには見ることを躊躇してしまうほどの入居者の暮らしぶりが、惜しげもなく暴露される。一喜一憂、苦学力行、手前勝手、趣味嗜好、あらゆる事柄が断面から吹き出て、浴びて、あ!実家!!となる。ここは紛れもなく誰かの実家だったのである。私にも実家がある。あなたにもある、あったであろう。
表に出て辺りを見渡すと、遠くまで実家の実家、誰かの実家まみれ。この事実に感化され、過去に【星の上の実家】という絵を描いた。
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